湯島の「人」を訪ねる地域メディア TOKYO, YUSHIMA
コラム

湯島天神の菊まつり|文京花の五大まつり、昭和54年度から続く秋の湯島

更新 2026.10.10
湯島天神の菊まつり。和紙の地に、白・黄・えんじ・薄紫の大輪の菊を日本画風に描いたイラスト

毎年11月、湯島天神(正式には湯島天満宮)の境内に、菊が並ぶ時期があります。あれは何の催しなのか。いつから続いているのか。地元で商いをしていても、意外と答えに詰まる問いです。

この記事は、ゆしまるマガジン編集部が湯島天満宮と文京区の公的な資料をたどってまとめた、「湯島天神の菊まつり」の読み物です。会期・会場・展示される菊の種類、そして湯島のまちから見た位置づけまでを順にたどります。

結論から言えば、湯島天神の菊まつりは昭和54年度に始まった催しです。毎年11月1日から23日まで湯島天満宮の境内で開かれ、「文京花の五大まつり」の一つに数えられます。

湯島天神 菊まつり|3つの数字

始まった年

昭和54年度

毎年の会期

11月1日〜11月23日

令和8年(2026年)

第48回

出典:文京区役所/文京区観光協会

湯島天神の菊まつりとは

湯島天神の菊まつりは、文京区の案内では「文京菊まつり」と呼ばれる催しで、湯島天満宮の境内で毎年11月に開かれます。文京区役所の案内によれば、令和8年(2026年)は第48回です。会期は11月1日(日)から11月23日(祝・月)、時間は午前6時から日没までです(出典:文京区役所「第48回文京菊まつり」/文京区役所「文京菊まつり」)。入場料について、第48回の案内に記載はありませんが、令和6年の第46回の案内には「入場料:無料」と記されていました(出典:文京区役所「第46回文京菊まつり」)。

湯島天満宮の社殿の前に、半球形に仕立てた大きな菊の鉢がいくつも並ぶ境内
2013年の文京菊まつり。湯島天満宮の社殿の前に、大作りの菊が並ぶ。写真:Guilhem Vellut(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

「湯島天神」と「湯島天満宮」はどう違うのか

まず名前から確かめます。神社としての正式な名称は湯島天満宮で、「湯島天神」はその通称にあたります。公式サイトの見出しでも「湯島天満宮(湯島天神)」と併記されています(出典:湯島天満宮)。菅原道真を祀る学問の神様で、創建は雄略天皇2年(458年)と伝えられています(出典:湯島天満宮)。

会場と最寄り駅

会場は湯島天満宮(文京区湯島3-30-1)の境内です。最寄りは東京メトロ千代田線「湯島」駅で、文京区の案内では徒歩2分と書かれていました(出典:文京区役所)。

いつから続いているのか

文京区観光協会のサイトには、「昭和54年度から湯島天満宮にて行われています」と記されています(出典:文京区観光協会)。令和8年の第48回まで、ほぼ毎年続けられてきた催しです。この続き方自体が、湯島という場所に根を張った年中行事であることを示します。

境内で見られる菊の仕立て

菊まつりの見どころは、江戸から受け継がれた「仕立て」の技にあります。文京区の案内で名前が挙げられている形を、順に整理します。

菊人形:都内では珍しい展示

一つは菊人形です。等身大の人形に、生きたまま仕立てた菊の花を衣として着せる展示です。文京区の案内では「都内では珍しい」展示と紹介されています(出典:文京区役所)。年ごとにテーマが設定され、第46回(令和6年)にはNHK大河ドラマ「光る君へ」の場面から3体が披露された回もありました(出典:文京区役所)。

千輪咲・懸崖・盆庭:大作りの3つ

もう一つは「大作り」と呼ばれる仕立てです。令和6年の文京区の案内では、3つの形が挙げられていました(出典:文京区役所)。崖から垂れ下がる姿に仕立てた「懸崖(けんがい)」、一本の茎に数百輪の花を咲かせる「千輪咲」、様々な菊を組み合わせた総合庭園の「盆庭(ぼんてい)」です。

黄色と白の小さな菊の花が、半球形にびっしりと咲きそろった大作りの鉢
2013年の文京菊まつりで展示された大作りの菊。多くの花を半球形に咲かせている。写真:Guilhem Vellut(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

江戸菊・巴錦などの古典菊

さらに、「江戸菊」や、花びらの内側が深紅で外側が黄金色の「巴錦(ともえにしき)」といった古典菊も並びます(出典:文京区役所)。品種の由来や特徴まで踏み込むと図鑑の領域に入ってしまうので、ここでは「江戸から名の伝わる菊が、湯島の境内に揃う」ことだけを押さえます。

屋根のかかった棚に、色とりどりの鉢植えの菊が名札とともに長く並ぶ様子
2013年の文京菊まつり。境内に鉢植えの菊が長く並ぶ。写真:Guilhem Vellut(Wikimedia Commons)/CC BY 2.0

湯島天神 菊まつり|主な菊の仕立て

仕立て 形の特徴 見どころ
菊人形 等身大の人形に生きた菊を衣として着せる 都内では珍しい展示。年ごとにテーマが変わる
懸崖(けんがい) 崖から垂れ下がるように仕立てる 文京区の案内で名前が挙がる大作りの一つ
千輪咲 一株から数百輪を咲かせる 一輪の花のように見せる仕立て
盆庭(ぼんてい) 様々な菊を組み合わせた総合庭園 令和6年の案内で挙げられた大作りの一つ
江戸菊・巴錦 江戸から名の伝わる古典菊 巴錦は花びらの内側が深紅、外側が黄金色

出典:文京区役所/文京区観光協会

「文京花の五大まつり」のなかの菊まつり

文京区は、区内の花の名所を軸にした「文京花の五大まつり」を観光の柱に据えています。湯島天神の菊まつりはそのうちの一つで、文京区役所の案内でも「文京花の五大まつりの一つ」と明記されていました(出典:文京区役所)。

文京区の年間行事としての位置づけ

令和6年の文京区役所の案内では「関東有数の菊まつり」と紹介され、文京区観光協会は「展示数の規模は関東一とも称され」と記しています(出典:文京区役所(第46回の案内)/文京区観光協会)。問い合わせ先は、湯島天満宮内の実行委員会事務局(03-3836-0753)です(出典:文京区役所)。

湯島天満宮の梅まつりとの対比

湯島天満宮の境内では、春にも「文京梅まつり」が開かれています(出典:文京区役所)。湯島の人にとって、春の梅と秋の菊は、天神さまの境内が年2回ふくらむ時期にあたります。受験の時期と重なる梅、紅葉を待つあいだの菊、という季節の役割の違いも、歩いて確かめられる場所にあります。

湯島のまちから見る菊まつり

最後に、湯島で働き暮らす側から見た菊まつりを書きます。

11月の3週間、湯島に何が起きるか

11月1日から23日までの3週間、境内に菊が並びます(公開は午前6時から日没まで)。湯島のお店や会社にとっては、ふだんは通り過ぎてしまう人に湯島の名を一度覚えてもらえる3週間、という読み方もできます。

会期中の歩き方

公開時間は午前6時から日没までです(出典:文京区役所)。夕方に訪ねるなら、日没の時刻を先に確かめておくと安心です。

このコラムは湯島の経営者インタビュー媒体「ゆしまるマガジン」の読み物です。湯島で商いをしている方の話を聞かせてほしい、という方はインタビュー掲載の応募・推薦、まちの行事を知りたい方はイベント一覧もご覧ください。

よくある質問

湯島天神の菊まつりはいつ開催されますか。 文京区の案内によれば、第48回は令和8年(2026年)11月1日(日)から11月23日(祝・月)までです。時間は午前6時から日没までとされています(出典:文京区役所「第48回文京菊まつり」/文京区役所「文京菊まつり」)。

入場料はかかりますか。 第48回の案内に入場料の記載はありません。令和6年の第46回の案内には「入場料:無料」と記されていました(出典:文京区役所)。

菊まつりはいつから続いているのですか。 文京区観光協会のサイトには「昭和54年度から湯島天満宮にて行われています」と記されています(出典:文京区観光協会)。

どの駅から近いですか。 最寄りは東京メトロ千代田線「湯島」駅で、文京区の案内では徒歩2分と書かれていました(出典:文京区役所)。

どんな菊が見られますか。 文京区の案内では「菊人形」「懸崖」「千輪咲」「盆庭」のほか、「江戸菊」「巴錦」などの古典菊が挙げられていました(出典:文京区役所/文京区役所(第46回の案内))。

出典・参考